進め方の地図
| 週 | やること | 仕上がるもの |
|---|---|---|
| 1週目 | 授業1: 4原則を「使う側」になる | 観察ノート5ページ |
| 2週目 | 授業2: タイポグラフィ (文字の設計) | 同じ文章の組み分け3パターン |
| 3週目 | 授業3: 配色を理論で選ぶ | お題別パレット3組 (検査合格つき) |
| 4週目 | 授業4: 余白とグリッド + 月末制作 | 名刺 + SNSヘッダーのセット |
授業1: 4原則を「使う側」になる
Step 4で学んだ近接・整列・反復・対比を、今度は「見つける道具」から「作る道具」に持ち替えます。プロは新しいページを作るとき、いきなり色を塗りません。まず「情報の優先順位」を決め、1位を対比で立て、仲間を近接でまとめ、全体を整列でそろえ、ルールを反復で通します。この順番を体に入れるのが授業1です。
良いデザインを「分解して言葉にする」練習です。最初の1ページは、次の手順どおりに作ってみましょう。
- 観察するサイトを開くまずは見慣れたものが一番です。このカリキュラムサイトのトップページを開きましょう。
- スクリーンショットを撮るWindows + Shift + S で画面の上半分を範囲選択して撮ります。
- Figmaに貼るFigmaで新しいファイルを作り、Ctrl + V で貼り付けます。ファイル名は「観察ノート」にしましょう。
- 4色の付せんを用意する四角ツール (R) で小さな四角を4つ作り、それぞれに文字ツール (T) で「近接」「整列」「反復」「対比」と書きます。
- 見つけた場所に置いて、ひとこと添える例: カードのグループに「近接」を置き、「カード同士の間は広く、カードの中は狭い」と添えます。4原則ぶん置けたら完成です。
お題: 好きなサイトを4つ選び、例題と同じ作り方で観察ノートを合計5ページにします。サイトは「よく使う通販」「役所」「ゲーム」など、雰囲気の違うものを混ぜると発見が増えます。
迷ったら、ページごとに次の4つの問いに答えれば、自然にノートになります。
- 一番目立つものはどれ?それは大きさ・色・余白のどれで目立たせている? (対比)
- 情報の塊はいくつある?塊同士の間はどれくらい空いている? (近接)
- そろっている線はどこ?左端・中央・右端のどれでそろえている? (整列)
- 繰り返されているルールは?色・形・並び順のどれが統一されている? (反復)
お題: 身の回りから「ちょっと見づらいな」と感じる印刷物や画面を1つ見つけ、「どの原則が崩れているか」と「どう直すか」を言葉で説明します。作り直しは不要で、説明だけでOKです。
授業2: タイポグラフィ ― 文字は最大のデザイン素材
Webページの面積の大半は文字です。つまり、文字の扱いがうまくなることが、見た目の上達の近道です。覚えるルールは4つだけです。
| ルール | 目安 | ひとこと |
|---|---|---|
| 書体は2つまで | ゴシック体を基本に1〜2種 | 画面はゴシック体が読みやすい。明朝体は上品さの演出用 |
| サイズは階層で | 本文16px / 補足13px / 見出しは本文の1.5〜2倍 | 「なんとなく大きく」をやめて、段階を決めて使い回す |
| 行間はゆったり | 本文は1.7前後 | 詰まった行間は、それだけで素人っぽく見える |
| 1行を長くしない | 全角35文字前後まで | 長い行は目が迷子になる。箱の幅で調整する |
素材の文章は何でも構いません。練習素材 omise-text.txt (架空のお店の紹介文) を使うと早いです。
- Figmaでフレームを作るF を押して、サイズ一覧から「Desktop」を選びます。
- 文章を3つに分けて貼る文字ツール (T) で「見出し」「本文」「補足」の3つのテキストを作り、素材の文章を分けて入れます。
- 書体をそろえる3つとも選んで、右パネルの書体を「Noto Sans JP」にします。
- サイズの階層をつける本文16・補足13・見出し28に設定します。見出しだけ太字 (Bold) にします。
- 行間と幅を整える本文の行間 (Line height) を170%にし、テキストの箱の幅を全角35文字くらいで折り返す幅まで狭めます。
お題: 同じ文章を「①事業所のお知らせ」「②イベントのポスター」「③Web記事」の3場面向けに組み分けます。それぞれフレームを分けて作りましょう。
- ① お知らせ: 読みまちがいゼロが目的です。ゴシック体・本文16px・行間170%・飾りなしで組みます。
- ② ポスター: 遠くから目を引くのが目的です。見出しを本文の3倍以上に大きくし、文字数を思いきって減らします。
- ③ Web記事: 長く読んでもらうのが目的です。本文の幅を35文字で折り返し、段落の間に余白を入れます。
お題: 「文字がきれいだ」と感じるサイトを3つ見つけて観察ノートに追加し、本文サイズ・行間・1行の長さを調べて書き込みます。
授業3: 配色を理論で選ぶ
Step 4で使った「ベース70% : メイン25% : アクセント5%」に、2つの理論を足します。1つ目は色相環 (色の輪) で、近くの色同士はおだやかに調和し、向かい側の色同士は強く目立ち合います。2つ目はトーン (明るさと鮮やかさの組) で、色がバラバラでもトーンをそろえると統一感が出ます。そして仕事の配色には検査があります。文字色と背景色のコントラスト比4.5 : 1以上 (WebAIM Contrast CheckerでPass) が、読みやすさの合格ラインです。
- Coolorsを開くブラウザで
coolors.coを開き、「Start the generator」をクリックします (Step 4でやった操作です)。 - 方向を決めてから回す「清潔」のイメージから、青〜水色系を1色捕まえて鍵アイコンで固定し、スペースキーで残りを回します。
- 3色を選び出すうすい色をベース、青系をメイン、1色だけ性格の違う色 (例: 柔らかい黄) をアクセントに選びます。
- コントラストを検査するWebAIM Contrast Checkerを開き、Foregroundに文字色 (濃い色)、Backgroundにベース色を入れて、Normal TextがPassになるか確かめます。
- 不合格なら濃さだけ直すFailのときは、色相はそのままで文字色を濃くします。色を変えずに明るさで直すのがコツです。
#F4FAFB (消毒したての白) / メイン #2E86AB (清潔な青) / アクセント #F2C14E (子ども向けの柔らかい黄)。文字 #1D3A47 × ベースのコントラスト比は約12 : 1でPassです。これと違う答えでも、理由と検査が通っていれば正解です。お題: 「①頼れる法律事務所」「②楽しい駄菓子屋」「③静かな図書館」の3つに、それぞれ3色パレットを作ります。例題と同じ手順で、1つずつ進めましょう。提出物は、お題ごとに「3色 + 選んだ理由ひとこと + コントラスト検査の結果」です。
お題: 好きなサイトを1つ選び、使われている色をすべて採取して、「ベース・メイン・アクセントがそれぞれ何%くらいか」を観察ノートにまとめます。70 : 25 : 5の型に近いか、外れているならなぜ成立しているかを考えます。
授業4: 余白とグリッド ― プロの「見えない線」
8の倍数で余白を決める「8ポイントグリッド」は学びました。プロの現場ではもう1つ、画面を縦に12等分する12カラムグリッドという見えない線を使います。「3列のカードは4カラムずつ」「本文は8カラム + 余白4カラム」のように、幅の決定に迷いがなくなります。
- フレームを作るF → 「Desktop」を選びます。
- グリッドを表示するフレームを選んだまま、右パネルの「Layout grid」の + を押します。赤い線が出ます。
- 12カラムに変える出てきたGridの種類を「Columns」に変え、Countを12、Gutter (列の間) を24、Margin (左右の余白) を40にします。
- カードを4カラム幅で作る四角ツール (R) で、ちょうど4カラムぶんの幅の四角を描きます。線に吸い付くので簡単です。
- 3枚並べるCtrl + D で複製して、4カラムずつ3枚並べます。ぴったり12カラムで割り切れます。
お題: 例題のフレームに、授業2の文章 (見出し + 本文) を足して、1ページのレイアウトに育てます。
- 見出しを12カラム全幅に置くページの一番上は、幅いっぱいを使ってOKです。
- 本文を8カラム幅に収める左の8カラムに本文、右の4カラムは空けるか補足情報に使います。1行が長くなりすぎない幅になります。
- 縦の余白を8の倍数でそろえる見出しと本文の間は32、本文とカードの間は56のように、8の倍数から選んで統一します。
お題: 観察ノートに集めたサイトから1つ選び、その1画面の「骨格だけ」(色や写真は抜きで、グレーの四角と線だけ) を12カラムグリッドの上に再現します。何カラム使っているかを数えながら写しましょう。
月末制作: 名刺 + SNSヘッダーのセット
このユニットで学んだ理論を全部使って、「自分の名刺」と「SNSのヘッダー画像」を1セットのデザインで作ります。サイズが大きく違う2枚を同じ世界観でそろえるのは、反復の実戦練習です。
- パレットを決める授業3の手順で、自分を表す3色を作ります (検査合格まで)。
- 名刺を作るFigmaで1075 × 650ピクセルのフレーム (印刷の91 × 55mm相当) を作り、名前・肩書き・連絡先を、サイズの階層と整列で組みます。肩書きは「Web学習中」など今の自分のままでOKです。
- ヘッダーを作る1500 × 500ピクセルのフレームに、同じ3色・同じ書体で横長のデザインを作ります。
- 2枚を並べて検査する「同じ人のデザインに見えるか」を、色・書体・余白のルールで確かめます。
- 発表する「目的 → 案 → 理由」の順で、スタッフに2分で説明します。例:「信頼感が目的です。紺をメインにしたのは…」。
つまずきやすいポイント
発展チャレンジ (余力のある方へ)
- Google Fontsで「見出し用と本文用の組み合わせ」を3組探して、観察ノートにまとめてみましょう。
- 名刺の文字間 (カーニング) を調整してみましょう。Figmaでは Letter spacing を-2%〜-4%にすると、見出しが締まって見えることがあります。
- 「ノンデザイナーズ・デザインブック」という本が、このユニットの内容の原典です。事業所にあれば、1章だけでも読んでみましょう。