ユニット1: Python入門 ― 2つ目の言語は速い
Python(パイソン)は、世界で一番人気のあるプログラミング言語の一つです。AI・データ分析・自動化、はば広く使われています。そして朗報: JavaScriptを学んだあなたは、すでに半分知っています。
# Python // JavaScript (Step 3でやったこと)
namae = "山田" # let namae = "山田";
if tensuu >= 80: # if (tensuu >= 80) {
print("合格!") # console.log("合格!");
- 変数・条件分岐・関数・繰り返し。考え方は全部同じで、服(書き方)が違うだけです。
- 波かっこのかわりに「字下げ(インデント)」でブロックを表すのが、Pythonの大きな特徴です。
Pythonを使えるようにする ― 2つの道
- 道A (簡単・ブラウザ版): Google Colabブラウザで
colab.googleを開く →「New Notebook(ノートブックを新規作成)」→ 出てきた入力欄にprint("こんにちは")と打ち、左の再生ボタン(▶)を押す。下に「こんにちは」と出たら、もうPythonが動いています。Googleアカウントが必要です。インストール不要なので、まずはここから。 - 道B (本格・パソコンに入れる): python.orgブラウザで
python.org/downloadsを開く → 黄色い「Download Python 3.○.○」ボタン → ダウンロードしたファイルをダブルクリック → 最初の画面で一番下の「Add python.exe to PATH」に必ずチェック(ここが最重要ポイントです) →「Install Now」をクリック。 - 道Bの確認PowerShell(ユニット2で学ぶ黒い画面)を開いて
python --versionと打ち、Python 3.○.○と出れば成功です。出なければ、チェックの入れ忘れが定番の原因。スタッフを呼んでください。
課題: Step 3 の授業4「関数」で作った「おみくじ」をPythonで作り直す。同じものを2つの言語で書くと、「プログラミングの考え方」が言語をこえて身についていることが実感できます。
python omikuji-mihon.py です。ユニット2: CLI ― 黒い画面と友達になる
映画でハッカーが打っている黒い画面。あれは CLI(コマンドラインインターフェース)といって、文字でパソコンに命令する道具です。Windowsでは「PowerShell(パワーシェル)」を使います。怖く見えますが、最初に使うのは5個だけです。
| コマンド | 意味 |
|---|---|
cd フォルダ名 | そのフォルダに移動する(change directory) |
ls | 今いる場所のファイル一覧を見る(list) |
mkdir 名前 | 新しいフォルダを作る(make directory) |
python ファイル名.py | Pythonのプログラムを実行する |
cls | 画面をきれいにする(clear screen) |
課題: マウスを使わずに、コマンドだけで「フォルダを作る → その中に移動する → Pythonプログラムを実行する」を最後までやってみる。
ユニット3: データ処理 ― 表をプログラムで料理する
事務作業の主役「表データ(CSVファイル)」を、Pythonで読み書きします。
- CSVは「カンマ区切りのテキスト」で、Excelでも開ける、世界共通の表の形式です。
- Pythonの
csvモジュールで読み込み、合計・平均・「条件に合う行だけ抜き出す」を練習します。 - forループ(繰り返し)が、ここで主役になります。「1000行あっても一瞬」を体験してください。
課題: 練習データ pan-uriage.csv(架空のパン屋「パンの森」の売上 100行。リンクを右クリック →「名前を付けてリンク先を保存」)を読み込んで、①売上の合計金額、②一番売れた商品、の2つを出すプログラムを書く。列は「日付・商品名・たんか・こすう・うりあげ」の5つです。
python uriage-mihon.py と打てば動きます。先に動かしてから1行ずつ意味を読むか、自分で書いてから答え合わせするか、好きなほうで進めてください (ちなみに答えの実行結果は「合計 394,050円・1位は食パン」です)。ユニット4: 自動化 ― 面倒をプログラムに渡す
仕上げの考え方は「3回以上繰り返す作業は、自動化を考える」です。
osモジュール・pathlibで、ファイルやフォルダをプログラムから操作します。- 「ダウンロードフォルダの画像を、撮影月ごとのフォルダに仕分けする」「ファイル名をルール通りに一括変更する」など、実際にありがちな面倒を題材にします。
- 安全第一: いきなり本番のファイルでやらず、コピーした練習フォルダで動かすのがプロの作法です。
卒業制作: 自動化ツール or テキストゲーム
2つの路線から選びます。どちらにも完成した見本(答え)があります。見本の模写から始めるので、ゼロから発明する必要はありません。
- 路線を選ぶA「ファイル整理の自動化ツール」か、B「テキスト冒険ゲーム」。迷ったら、見本を両方動かして楽しかったほうでOKです。
- 見本(答え)を写して動かす路線A = seiri-mihon.py (練習用フォルダを自動で作る安全設計です) / 路線B = bouken-mihon.py (パンの森の冒険)。コメントを読みながら写します。
- 「改造のヒント」を2つ以上やる見本の一番下に、改造の課題が3〜4個書いてあります。ここからが「自分の作品」づくりです。
- 人に使って(遊んで)もらう感想を1つ以上もらいます。
- 発表する「工夫した点・苦労した点」を話します。
発展チャレンジ(さらに先へ・A型の方向け)
- 自動化ツールに「設定ファイル」(仕分けルールを書いた別ファイル)を読み込ませて、プログラムを直さなくてもルールを変えられるようにしてみましょう。
openpyxlというライブラリを調べて、Excelファイルを直接読み書きしてみましょう。事務系の実務で非常に喜ばれるスキルです。- 「エラーが起きてもとまらない」ための
try / exceptを調べて、ツールを頑丈にしてみましょう。